秋なので・・
先月現場見学会をさせていただきました、『白く輝く25坪のかわいい平屋のお宅』に、びっくりするほど大勢のかたにご見学いただきました。
体育祭シーズンの3連休にもかかわらずおいで下さった皆様や、快く見学会に貸して下さったお施主様に深く感謝いたします。
ありがとうございました。
さて、朝晩は寒くなって季節はすっかり秋ですね~
秋と言えば・・・食欲はもちろんありますが、今回は旅行と読書にします。
なぜか秋になると京都に行きたくなります。
桂離宮の紅葉はどんなにか素晴らしいだろう!!と。
以前に一度訪れたことがありますが、紅葉には少し早い時期でしたので、ぜひあと二回(紅葉と雪の時期)行ってみたいと思っています。
建築も庭園も素晴らしく、日本のわび・さびを肌で感じることができ、とても感動したことを覚えています。
1933年にドイツから亡命してきた建築家『ブルーノ・タウト』も、この桂離宮の月見台から見渡せる御苑全体を目の前にして「それは実に涙ぐましいまでに美しい」と絶賛している。
ブルーノ・タウト著↓
この本では、この桂離宮の正門と対比して日光東照宮の陽明門を酷評している。
桂離宮の正門については、
「入口には一切の僭越を避けるのが、後期の家柄の良風であることが、日本を一層近しく識って後に初めてわかるのである。葉山御用邸の正門には皇室の御紋章すら見られない。輪奐の美がではなくて、材料の細心な選択とその加工からとから生み出された均斉の純粋さが、居住者の高貴性を暗示しているような美しい見事な門」と称し、
一方日光東照宮陽明門につては、
「それらは、建築芸術ではない、何となれば、建物の構成が雑然たる装飾の中に姿を没してしまっているからである。あれは実はまったく粗野な無趣味ではないか?」と切って捨てている。
ただ、陽明門には風水を取り入れたさまざまな工夫が施されており、これはこれで個人的にはとても面白い建造物である。(国宝ですからね)
多分、タウトから見たらほとんど中国の様相で【ニッポン】らしくなかった、ということでしょう。
しかし、同じ日光でも大猷院霊廟の諸門については「陽明門のその華やかさにも似ず、少なくとも彫刻と色彩になおある種の細緻さがある」としている。
タウトは伊勢神宮についても、
「日本のアクロポリスである」と絶賛している。
伊勢神宮に関しては、日本を代表する建築家『丹下健三』も、その構造の考え方を取り入りれているそうです。
ちょっと長くなりましたが、なにはともあれ【ヨーロッパ人からみた日本】ということで、なかなか興味深い本でした。
今年の秋はこんな本を片手に、改めて日本の古建築を訪ねて歩くのもいいかもしれません。
A。Mochizui**